エリーパワーは2016年2月16日、ホンダ・レーシングとテクニカルスポンサー契約を結び、2016年の「モトクロス世界選手権MXGPクラス」「全日本モトクロス選手権IA-1クラス」の参戦車両にリチウムイオン電池を供給している。
エリーパワーとホンダ・レーシングは2015年にテクニカルスポンサー契約を結び、本田技術研究所とともに二輪車向けバッテリーの共同開発を進めてきた。2015年のシーズンではモトクロス参戦車両に試験的にリチウムイオン電池を搭載しており、2016年は参戦車両に正式に採用することとなった。
エリーパワーの主力製品は定置用リチウムイオン電池で車載用とはサイズが大きく異なるが、定置用で培った性能や安全性、生産能力が評価された。
川崎工場に二輪車用の専用ラインを構築し、量産モデルに向けて製品化が決定し、「
HYバッテリー」としてホンダの一部市販車に搭載されている
特徴
●-10℃~65℃の広い温度範囲でエンジン始動が可能
●Hondaの厳格な品質基準をクリアすると共に、国際的第三者認証機関「テュフ ラインランド ジャパン」の安全認証※を取得
※ ECE R 136: 2016 Part Ⅱ(Clause 6)、GB/T 31485: 2015 Clause 6.3.8、IEC 60529: 1989+A1+A2 Clause 14.2.6 (IPX6)
●BMU(バッテリーマネージメントユニット)を電池パックに内蔵し、電池だけでなくシステム制御でも安全性を高めた。
●外装にはPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を採用し、優れた耐久性・耐環境性を備える。
製品展開
HY85S
Hondaモトクロス競技専用車「CRF250R/CRF450R/CRF450RX」に採用。
HY93
Hondaスーパースポーツバイク「CBR1000RR SP/CBR1000RR SP2」に採用。
HY110
Hondaアドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」に採用。
商品名・型番 | HY85S | HY93 | HY110 |
サイズ | W112×D49×H85 mm | W112×D70×H93 mm | W112×D70×H110 mm |
質量 | 約0.7kg | 約1.1kg | 約1.4kg |
定格容量 | 2.0Ah | 4.5Ah | 6.0Ah |
定格電圧 | 12V | 12V | 12V |
使用温度範囲 | -10℃ ~ 65℃ | -10℃ ~ 65℃ | -10℃ ~ 65℃ |
CCA | 55A以上 | 85A以上 | 120A以上 |
サイズ的にラインナップは専用モデルのみで、一般販売は、現在のところ予定なし。
国内に専用ラインを持つ工場を立ち上げている以上、これだけのラインナップで終わらせる気はないと思われ今後の展開が楽しみである。
ちなみに、「CBR1000RR SP/CBR1000RR SP2」のバッテリー「31500-MKF-J61」の価格は約4万円!!
リチウム仕様じゃないCBR1000RRのバッテリーはYTZ7S(GSユアサ)なので約2.5倍の価格差