2024年9月10日火曜日

CT125 電装 追加のガイドライン

※ 注意:
一般公道を走行する乗り物である為、電気系の知識や経験がない初心者が行う作業ではない。
電装系のカスタムはエンジン等の駆動系より軽く気楽そうに思ってしまうかもしれないが、僅かなミスでも走行不可能な状態になる場合がある事や、最悪の場合は火災の原因となる大きなリスクを伴う作業であることを理解した上で作業する事。
新車で保証期間中の場合は、保証の対象から外れる場合があるので、販売店と相談の上、作業を行う事。







車両ベース電力概算


結論:バッテリーの充電を維持して利用したいなら追加電装は40W以下に抑える。

CT125(JA55)のACG(AC Generator:交流発電機)の発電量は190W(15A)である。
CT125(JA65)の発電量は230W。
ともに最大値だが、発電量だけで判断すると痛い目を見るので注意。
 
発電量の190Wと230Wは乗用車等のスペックを参照して5000rpm時の発電量と推測 。
アイドリング時の発電量は最大発電量の30%程度が殆どなので
CT125(JA55)190Wの30%=57W
CT125(JA65)230Wの30%=69W

バッテリーはGSユアサ YTZ5S
10時間率容量(Ah)3.5
サイズ:長さ114x幅71x高さ86
普通充電電流(A)0.4(4.8W)GSユアサ指定値


計算式 W=AxV A=W/V V=W/A

CT125の電装系の仕様はサービスマニュアルにも記載が無い等、殆どが非公表なので推測。

バッテリー
充電用 14.5v0.4A CT125のヘッドライト
・DRIVING BEAM(ハイビーム):10.1W/14.4V(0.7A)
・PASSING BEAM(ロービーム):5.1W/7.2V(0.7A) 
・POSITION:3.5W/13.5V(0.26A)

CT125のテールランプ
非公表 推定10W/12V程度
CT125のウインカー
非公表 推定6.2W/12V(0.52A)程度

ECUや各種センサーの消費電力
ECUは1~2A程度という話だが、センサーについてはO2センサーの場合、排気ガス温度が低いと反応が鈍くなる事からヒーターを内蔵して始動時等の冷えた状態等ではセンサー温度を上昇させるが、JA55のO2センサーがどういう仕様か不明なので何とも言えない。

一方、JA65から排ガス規制に対応する為に搭載された空燃比(LAF)センサーは、O2センサーが理論空燃比(14.7:1)を基準に濃いか薄いかの判断しかできないのに対して、空燃比(LAF)センサーはどのくらい空燃比が濃いか薄いかをリニアに判断できるようになっているが、活性状態を維持する為にヒーターの通電制御を行っているので消費電力は多くなり、ECUの情報処理も増大する為、ECUやセンサーの消費電力はかなり多めと推測できる。
その他、メーター類などがあるが、参考になるような資料が見つからないので省略したが、ECUや各種センサーの消費電力はJA55で1~2A程度 JA65では空燃比センサーの分を考えると5~10A程度と見込んだが多めに見積もっておくに越した事は無いだろう。

JA65について
JA55の場合、C125に対して発電量UP(152W→190W)がセールスポイントに挙げられていたが、JA65ではJA55から40Wも増加したにも関わらずセールスポイントに発電量UPを謳う事も無く、サービスマニュアルの仕様欄に記載のみで疑問だったが、排ガス規制の対応で採用した空燃比センサーの大きな消費電力に対応する為に230Wまで強化する必要があっただけでJA65は意外と電力に余裕がないと思われる。


2024年9月以降からのマイナーチェンジではジェネレーターが更に変更された事もそれを裏付けるものだろう。

JA55とJA65の排ガス規制に絡むセンサーの違い
(JA55)37750-KPH-701 センサーASSY.,サーモスタツトオイル(パナソニツク) ¥3,150 (ERTSW04D系)
(JA55)36532-K2E-T01 センサー,O2(NGK) ・・・・・・・・・・・・ ¥7,300 (O2センサー)

(JA65)37750-K1A-N01 センサーASSY.,オイルテンプレチヤー(パナソニツク)  ¥3,150
(JA65)36533-K1M-K11 センサー,エアーフユーエルレシオ ・・・・・・・・ ¥14,400 (空燃比センサー)

排ガス規制対応で如何にコストが増えるかが、この部品単価だけでもよくわかる。

CT125のレギュレートレクチファイア
CT125等に採用されているレギュレートレクチファイアではACG出力の正サイクルでバッテリを充電、負サイクルでLED ヘッドライト(LED H/L)の点灯を行う仕組みが採用されており、ACG出力だけでLEDを点灯するため、ヘッドライトの消費電力は殆ど無視できる。
車両で使う電圧は12Vだが、バッテリーに充電する必要があるので最大13.5~14.5V 程度に制御されて出力される。

JA55
190w÷14.5v=13.1A(5000rpm)
最大190w/13.1A

JA65
230W÷14.5v=15.86A(5000rpm)
最大230W/15.86A

あとは追加した電装分の消費電力で減っていくが、例としてJA65の場合、
ピーク時(想定5000rpm)の15.86Aからバッテリーの充電に必要な0.4AとECUや各種センサー分を引いた残りが利用できる電力となるが、問題なのはJA65から排ガス規制の為に採用された空燃比センサーで、車の場合5~20Aと消費電力が大きい事は判っているが仕様が全く判らないので推測のしようがない。

大雑把に空燃比センサーを含めたセンサー類を5Aとして計算すると以下のようになる

バッテリーの充電=0.4A
ECU+各種センサー(空燃比含む)=5A
テールランプ=0.8A
メーター類=0.5A
        合計=6.7A
最大230W/15.86Aー6.7A=9.16A

9.16A(109.92W)までが利用できる電力となるが、これは公称値最大230Wで計算した結果なので実際はもっと低い。
レギュレートレクチファイアが直流に変換し、充電電圧を制御する際の損失は考慮されていないからだ。

特にECUと各種センサーの消費電力が大きい事は判っているが基準になるような資料が無く、当てにならないので結局、実際に試す事にしたが10Wx2(1.66A)のフォグランプとグリップヒーターが18W(1.5A)、これにUSB 3.0(2A充電)を利用すると5.16A(62W)程度となり、これだけで走行中の電圧は12~13V程度まで低下する。
この結果から、バッテリーを充電しながら利用できる電力はJA55とあまり変わらない60W以下であり、変換損失は公称値230Wから約18%(41.4w)と一般的な変換損失(約20%)に近い結果となった。

奇しくもこれでECU+各種センサーを1Aとした場合のJA55と同じ190W程度の発電量となることから、JA65の発電量を230Wまで増加させた構図がなんとなく見えてくる。

そして、これは最大値であって、エンジンは5000RPM以上で回っているのが前提なので市街地での走行では、満足に充電する事は不可能だろう。
追加した電装品の消費が40Wを超えたあたりからはもう、バッテリーを消費しながら電力を供給する事になる。
キックスタートがあるので仮にバッテリーが死んでしまっても何とかなるが、バッテリーの充電を維持したいなら、40W未満に抑えておくのが無難だ。

結論:バッテリーを満足に充電しながら利用できる追加電装の消費電力は40W以下で

電装を追加する事で消費電力が増えてくるとバッテリーの充電は残念な事になるが、メリットもある。

電圧を制御するレギュレートレクチファイアは電力が過剰な場合、余分な電力は熱として放出させる。
その結果、レギュレートレクチファイアは発熱する事になるが、この発熱がレギュレーターの寿命を縮める原因となるのでレギュレートレクチファイアのメーカー想定耐用年数は5年と短いのだが、 (当然だが走行時間での話)余剰の電力が無ければ放熱が減るのでレギュレーターの発熱は抑えられ、それだけ寿命が延びる事が期待できる。
※このレギュレートレクチファイアの値段は¥11300と高価な部品なので壊れるとかなり痛い。


主な電装オプションの消費電力(Wは最大出力時)
Honda純正グリップヒーター
半周タイプ:18W 1.5A(CT125 純正オプション)
全周タイプ:28W 2.4A
(ホンダ二輪 純正オプション)

ホンダの純正アクセサリー 取扱説明書のダウンロード
http://cssportal.css-club.net/honda/MCA/Start.asp?GROUP=oth
USBソケット(最大供給能力)
USB1.1/2.0規格:0.5A 5V 2.5W
USB3.0規格:0.9A 5V 4.5W

USB Battery Charging規格(USB BC Rev. 1.2)
SDP:0.9A 5V 4.5W(通信機能有)
CDP: 5A 5V 25W(通信機能有)
DCP:1.5A 5V 7.5W(電力供給のみ)
USB Type-C
USB Type-C Current1.5A :1.5A 5V 7.5W
USB Type-C Current3A  :3A 5V 15W
USB Type-C PD(USB PD3.0):5A 20V 100W
Quick Charge
Quick Charge 3.0 2.6A/4.6A:3.6V~20V 18W
Quick Charge 4.0 2.6A/4.6A:3.6V~20V 18W
3A:5V/9V(USB-PD動作時) 27W
 1A~3A:3V~11V(USB-PD 3.0 PPS電流制限時) 27W
 

※純正アクセサーリソケットをACCカプラに接続した構成でUSB PD3.0対応のUSBアダプタを使い、USB PD3.0対応の電子機器を接続して充電し、更に他のUSB機器等を使用してしまうと車両のヒューズが切れてしまうので注意が必要(USB PD3.0対応の電子機器によっては接続しただけでヒューズが切れる場合もあるが、車体のバッテリーへの充電も怪しくなるので継続して使用するとバッテリーが何時の間にか死んでしまう)。

※2020年現在、USB3.0以上の規格や今後の新規格を最大限利用するためには、ホンダの純正アクセサーリソケットをバッテリー接続仕様にする必要がある。
 

主なスマートモニターの消費電力
TANAX:SRS-019_スマートライドモニター XR-2
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.6A(7.2W)
TANAX:SRS-015_スマートライドモニターAIO-5Play
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.6A(7.2W)
TANAX:SRS-001_スマートライドモニターAIO-5Lite
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.6A(7.2W)
Kaedear:スマートレコードディスプレイ_KDR-D21
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.8A(10W)
AlienRider/MAXWIN:6.1インチ スマートモニター _M2-02
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.55A(6.6W)
AlienRider/MAXWIN:6.1インチ スマートモニター_ミリ波レーダー_M2-PRO
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.55A(6.6W)
AlienRider/VANLINKS:6.1インチ スマートモニター _VLBM-02
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.55A(6.6W)
AlienRider/VANLINKS:6.1インチ スマートモニター_ミリ波レーダー_VLBM-02-R
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.55A(6.6W)

主なドライブレコーダーの消費電力
MITSUBA:EDR-21A
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.35A(4.2W)
MITSUBA:EDR-21GA
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.35A(4.2W)
MITSUBA:EDR-22
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.35A(4.2W)
Daytona/Mio:MiVue M802WD 47750
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.5A_max1A(6W~12W)
AKEEYO:AKY-998GX-NV
・・・・・・・・・・・・・・12V/0.4A±10%(4.8W±10%)



主な補助ランプの消費電力

Kaedear  LED プロジェクター フォグ ランプ 汎用 ・・・・・・・・・15W×2
PIAA 後付けランプ LED Yellow 【LP530シリーズ】・・・・・・・・・ 8W×2
PIAA 後付けランプ LED 6000K 【LP530シリーズ】・・・・・・・・・9.4W×2
SP武川 LEDフォグランプキット3.0 CT125用_05-08-0480・・・・・約6.5W×2
キタコ LEDシャトルビームキット CT125_クリア  800-1470380・・・・10W×2
キジマ フォグランプキット_CT125ハンターカブ_205-6158・・・・10W×2



 リレー付き電源分配器


簡単に電源取り出しをしたいと言うなら、 
デイトナのD-unitKaedear KDR-E1 等のリレー付きジャンクションをつかって車体の隙間にブッこむのが手っ取り早い。

利点はリレーやヒューズ、2~6系統(製品によって異なる)のターミナルが比較的コンパクトに一つにまとまっていて配線が容易になる事。

欠点は、コンパクトとはいってもバッテリーに接続するケーブルが短い為、バッテリー付近に設置が限られる事。

収納場所によっては確認したいときやトラブルが発生した際、カバーを外したりといった手間がかかる。

配線が容易と言っても電装に慣れている場合、あまり差が無い事と、 配線の最適化や信頼性のある確実な部品とメンテナンス性に配慮した配置といった工夫が出来ないデメリットがある。

また、全ての製品がバッテリーに接続するケーブルとアクセサリー電源に接続するケーブルが一緒になってるので、ハンドルにアクセサリー電源用コネクタがあっても延長ケーブルを自作でもしない限り利用できず、バッテリー付近で接続できる場所を探す必要がある。


主なリレー付き電源分配器

Kaedear ジャンクションパワーリレー KDR-E1
合計20Aまでなら自由に接続できるギボシを使わないネジ止めの4系統の出力ターミナル。
ヒューズ インジケータ付きで青は ヒューズ の通電、赤は ヒューズ の断線と色で知らせてくれる。
デイトナの製品と比べてリーズナブルなのも魅力。

防水性は無い。
本体サイズ:130×70×25mmとそれなりにスペースを食うのでバイク用と言うより自動車向き。

amazon:Kaedear  KDR-E1
デイトナ D-UNIT +16075

最大3系統のメインキー連動と1個の常時接続が可能。
3系統合計17.5Aまで出力可能。

接続はホンダ純正でお馴染みの苦々しい小さめなギボシ端子が採用されているので一般的なギボシ端子は接続できない。

本体サイズ:85×38×25mmと比較的コンパクトながら配線が4束分ケースから延びているので実質:85×70×25mm程度のスペースは必要

デイトナ D-UNIT WR mini 45871
CT125の様に隠蔽スペースが限られる車両に最適な製品で、同じコンセプトの従来品の問題点を改善した物。
価格は¥4,140(税込)と倍近く悪化した。

最大3つのメインキー連動の電装を装着可能(7.5A出力2ポート/5A出力1ポート)防水設計(IP65相当)
内蔵ヒューズの交換で必要なアンペア数に変更可能。(合計で20A以下の範囲)

防水リレーに直接配線をぶら下げた様な物なので価格を考えると微妙だが素人にはお勧めできる。

これも忌々しい小さめなギボシ端子

amazon:デイトナ D-UNIT WR mini 45871

デイトナ D-UNIT EASY 45865
Kaedear KDR-E1に価格・機能で差を付けられていたデイトナが対抗して送り出したような製品。

圧着工具不要の簡単取り付け、ヒューズ切れを確認できるLEDインジケーター付きで青は ヒューズ の通電、赤は ヒューズ の断線と色で知らせてくれる等、完全にKaedear KDR-E1を意識した物。
ポート数が2,4,6,とポート数が異なる製品を用意。

内蔵ヒューズの交換で必要なアンペア数に変更可能。(合計で20A以下の範囲)と基本機能はかわらない。
ギボシ付き配線も付属するが一般的じゃない小型のタイプなので意味が無い。
価格は2ポート¥3,800、4ポート¥4,300、6ポート¥5200(税込)と価格は高め。

amazon:デイトナ D-UNIT EASY 45865

デイトナの製品は梱包サイズは明記していながら肝心の製品寸法を明記していないという思慮の無さなので、車両に収まるかどうかの検討が難しい。


電装配線部品
一般的な車載電装で必要な部品や材料は大まかに4種類程度である。
・配線コード
・リレー
・ヒューズ
・接続端子(カプラやギボシ等)


配線コード
配線コードの太さは余裕があるものを選んでおくと安心だが、太すぎると端子の装着が困難になる。
例えば、エーモンの0,75sq(スケア)の配線コードの場合は、流せる最大電流は6.6Aとなっているが、補助ライトの種類とUSBの充電規格又は、グリップヒーター等によっては同時に使用するとあっさりと5Aを超えるような組合わせが出来てしまう。
その為、選択する配線コードのスペックは1.25sq以上の物を選択する事になるが、選択肢は1.25sqか2sqの二つに限られる。
エーモンの配線スペック
sq 太さ(スケア) 最大電流 参照リンク
0.2sq (AWG 24) 2.5A(12V/消費電力30W以下) https://amzn.to/3m8Tmqe
0.5sq (AWG 20) 5A(12V/消費電力60W以下) https://amzn.to/2UYPs74
0.75sq (AWG 18) 6.6A(12V/消費電力80W以下) https://amzn.to/3l5RpJM
1.25sq (AWG 16) 11.6A(12V/消費電力140W) https://amzn.to/2HzjA62
2sq (AWG 14) 16.6A(12V/消費電力200W) https://amzn.to/364Lr7O
3sq (AWG 12相当) 30A(12V/消費電力360W) https://amzn.to/3m0gOFX
5sq (AWG 10相当) 40A(12V/消費電力480W) https://amzn.to/374fgEMX

1.25sq(スケア)は 最大電流が 11.6A最大消費電力は12Vで消費電力140Wと、アクセサリーソケットが純正品ではなく、社外USBソケットタイプを利用するには十分なスペックだが、利用するかはともかく、純正アクセサリソケットを限界まで利用できる仕様にしたいなら、2sq(16.6A最大消費電力は12Vで消費電力200W)までは可能(純正アクセサリソケットの配線コードの太さ的に限界に近いか、超える可能性があるので保険としてヒューズは15A以下を使う)。と、社外USBソケットタイプアクセサリーソケットだけではまねのできない電源を確保することができる。

電源コードの太さは、2sq以上となると次は3sqとなり配線コードが太すぎて一般的な接続端子やコネクターが使えなくなるので2sq(スケア)までが限界となる。

余裕を持つという意味でも2sqの配線コードは理想だが、その線の太さからくる扱いずらさと、利用するリレー次第では最大10Aが限界になってしまい無駄になってしまうという組合せの問題もあり、リレーを隠せるような取付けスペースが無いに等しいCT125では、見た目を気にしないのであれば別だが、配線の取り回しと配線部品の選択に悩まされることになるだろう。

注意したいのは、補助ライトや、USB機器を限界まで利用できると言っても、その電源はバイク用のちっぽけなバッテリーから供給されるという事だ。
接続する機器によっては、気が付いたらバッテリーが死んでいたと言う結果になるので、高出力の製品の接続は、一時的な利用に留めるべきである。
 



リレー
バッテリー直で繋いだ電源をメインスイッチ連動にする為には重要な部品だが、構造自体は単純な割に意外と大きいので設置場所に悩まされる厄介な部品だ。
リレーの購入は特に何かが優れている訳でもないが、実績とラインアップからエーモンの製品一択である。

エーモン リレー 4極 DC12V・240W(20A) 3235

二輪/四輪を問わず電装では定番とも言えるエーモンの4極リレー 3235
●コイル消費電流:150mA
●使用可能電力:DC12V・240W(20A)以下
DIYの電装でリレーと言えばコレと言うほどの定番品で、自動車/バイクの用品店からホームセンターまでどこでも手に入る
バイクによっては収まりそうな所に収まらないような微妙な形状とサイズで設置場所に悩まされることもある。
amazonでエーモン リレー 4極 DC12V・240W(20A) 3235を見る

エーモン 防水リレー (防水性能IPX規格4相当) 多層防水パッキン仕様 2898

エーモンで唯一の防水4極リレー 2898
●コイル消費電流:150mA
●使用可能電力:DC12V・200W(15A)以下
防水という事でバイクに最適と言いたいが、残念なことに使用可能電力が15Aと控えめな割にサイズが絶望的に大きいという致命的な欠点がある。
取付けスペースさえ確保できれば最適な製品なのは間違いない。
amazonでエーモン 防水リレー 2898を見る

エーモン コンパクトリレー 5極 DC12V車専用 3234

唯一無二のコンパクト5極リレーが3234だ。
●コイル消費電流:46mA
●使用可能電力:DC12V・120W(10A)以下
コンパクトさと引換えに使用可能電力が120W(10A)以下に制限される事から、バイクにおいては通常利用では十分な性能だが、せっかくのバッテリー直の電源をリレーの制限で生かしきれない物足りなさがある。
想定用途が車の装飾用LED等に利用する事もあって、5極という構成となっており、1極はイモビ等のメインスイッチOFF後の電源確保に利用できる。
コンパクトさを追及した結果、リレーと基板を熱収縮チューブで覆っただけという構造なので防水性は皆無で、いじり過ぎると配線が基板から外れたりするので取付け時は慎重に扱う必要がある。



ヒューズ
言うまでもないが、短絡や過負荷などによる過電流によって危険な状態になることを防止する目的で使用するが、問題はそのサイズである。
リレーと同じく、車では問題にならないサイズでも無駄と思えるほど大きい物が殆どで、特にカウル等がないネイキッドタイプや小型のバイクでは設置場所に頭を悩ませる場面は珍しく無い。

Kiligen インライン ATC ATO ヒューズホルダー 自動車用20A 防水

安価な中華製品のミニ平型ヒューズ用ヒューズホルダー6本セット
ヒューズが(3A/5A/7.5A/10A/15A/20A各1個入り)引き抜き治具が付属
ケーブルは被覆含めて2sq相当、内部の芯線は1.25sq相当、ループ接続してあるので必要な長さに切断して利用する。
防水性は樹脂製のカバーという事もあって中途半端に密着していることから僅かな隙間が毛細管現象をおこしてあっさりと浸水する。
防水性を除けばコストパフォーマンスは高いが6個も使わないことを考えると微妙な気もする
インライン型ヒューズホルダは殆どの製品がそうだがキャップ部分の高さがネックでミニ平型ヒューズを使う利点が無くなっているのが残念だ。
エーモン ミニ平型ヒューズホルダー DC12V・180W/DC24V・360W 15A(MAX) E424

エーモンのミニ平型ヒューズ用ヒューズホルダー
ケーブルの色が黒というのが意見が分かれるところだが、ホルダー部分は柔らかい樹脂製で中華の同等品よりは防水性が期待できそうに見えるが無駄であった。
ケーブルは1.25sq相当で15Aまで対応する。
ヒューズは付属していないので別途購入する必要がある。
キャップ部分を含む大きさは中華製とほぼ同じサイズなので、この製品を積極的に選択するメリットはない。
キジマ(Kijima) ヒューズホルダー 低背型 20A 防滴 304-7076

現状、バイクで利用するには激しく推奨できる逸品で、日本のフジックス社製。
使用するヒューズが車体のヒューズと同じ低背型を採用した事でインライン型と呼ぶにふさわしいスリムなボディを実現している事と、特にホルダー部分の造りこみ具合は特筆に値するものとなっている。

ホルダー部分はガラス入りのPBT樹脂でエンジンルーム等の過酷な環境に対応し、キャップ部分は独立したゴム製のキャップを採用。ヒューズ端子とリセプタクルコンタクトの接触抵抗軽減にも重点を置いた設計で、さらにこのサイズでIPX5の防水性能という非の打ち所がない内容。
コードの引き込み部分にもワイヤシールを採用するなど、その堅実な造りは他のインライン型とは一線を画す製品となっている。

価格がエーモンのインライン型の参考価格¥284に対し、3倍近い参考価格¥836となっているが、内容は十分納得できるものだ。
OEM調達先の選択において利益追及で台湾などの安い製品ではなく日本のフジックスから調達したのは、両社の関係は解らないが、キジマは非常に良い選択をしている。
キタコ (KITACO) ヒューズホルダーセット 低背ヒューズ用 756-9900200

キジマのヒューズホルダーと同じタイプでキタコの新製品。台湾のA-TEAM FUSE INC のOEM。
ほぼ、キジマと同じ仕様だがホルダーのケーブル引込み部分にあるグロメットの形状が異なる他、ギボシ端子が装着済みという違いがある。

注意点としては、ギボシ端子が装着済みなのはありがたい内容なのだが、付いているギボシがホンダ用のギボシ端子となっており、エーモンのギボシ端子とは径が異なるという残念なものとなっている事だ。

キジマのフジックス製と比べて、成形も綺麗でエッジがシャープなので一見、見た目も良く気密性も高そうだが、ホルダーを構成する素材がPVC(塩化ビニル)ということもあり、玩具的な質感とPVCの特性上、エンジンの近くのような熱を帯び続ける場所では表面が伸びて反りの原因となるので、使用場所には注意を要する。
カバー部分はゴムではなくナイロン樹脂製でカッチリとした造形だが、素材の性質上、高い防水性は期待できない。
高さは2ミリ程度高く裏面が丸みのある形状のためフレーム等に結束バンドで固定するような用途には向かないなど、なんとも微妙な製品だ。
フジックス製のキジマ製品が素材から形状・使い勝手まで、無骨ながらポイントを押さえた出来の良さから、敢えてこの製品を選ぶ理由がない。
キジマがフジックスの製品を販売している事から、キタコもOEMとしてフジックス製を選択できたと思うが、そうしなかったのは利益優先の結果ということなのだろう。
ヒューズホルダー 14AWG 10個 高品質高耐久 台湾製 インライン

台湾のA-TEAM FUSE INC.製インライン低背ヒューズホルダー。
10個で¥1,288、一個当たり¥128.8と恐ろしく安い。
商品説明でキャップの素材がゴム製となっているが実際はナイロン(PA-66)である。
IP表記が無い事から察しできるが、 防水・防塵性はあくまで、防水・防塵デザインであって期待はしない方がいい。

その安さと小ささから魅力的に映るが、安いのには中国製造で人件費が安い事に加え、使用している素材が非常に安価なPVC(塩化ビニル)で、キャップやコードの引込み部分はナイロンと、使用する素材のコストが低い物で構成されている。
ホルダー部分の素材がPVCである為、当然PVCの短所を持つことになるが、主な短所は低温状況下で脆い、5℃以下の環境下では衝撃に対して急激に脆くなり割れやすくなる事と、太陽光を浴び続けると白化、熱に弱く65℃~85℃で軟化、熱を帯び続ける状況にあると表面が伸びて曲がり、反りの原因となる等、車やバイクで使うには設置場所を選ぶ素材である。
デイトナ ミニヒューズホルダー 96231

ミニ平型を採用した平凡なシングル型ヒューズホルダーに予備用のヒューズホルダーを搭載したアイデア製品
使用可能電力の記載が無いが、付属するヒューズとコードの太さから10Aと判断していいだろう。

防水性は皆無で予備用ヒューズホルダーを設けた分サイズが肥大化しておりカウル付きの大型バイク以外で利用するのは厳しい。
エーモン 防水平型ヒューズホルダー DC12V・200W/DC24V・400W 15A(MAX) (防水性能IPX4相当) 2889

エーモンの防水ヒューズホルダー
同じエーモンの防水リレーと同様にサイズが異様に大きく、その割に防水性能はIPX4相当と使用可能電力は15Aと控えめ。
何と言っても問題は、リレーと勘違いしかねないそのサイズである。
その大きさと防水性能から剥き出しで使用することになるが、目立たない場所にうまく取付けられるなら選択肢の一つである。





接続端子(カプラやギボシ等)
一本の電源コード同士を繋ぎ合わせて取外しも可能にするのがギボシ端子。
複数の配線を同時に接続し取外しも出来るようにしたものがカプラー(コネクター)。
どちらも便利だが、特に防水カプラーに関しては嵩張る事と、導入には意外なほどのコストと手間が掛かるという欠点がある。

エーモン ギボシ端子セット AV(S)0.5~2sq 12セット 3301

用品店やホームセンターなど手に入れやすい定番のエーモンのギボシ端子
使用可能電力12V/200W 16A まで
防水性は無いので使用できる場所は限られる

エーモン 防水ギボシ端子セット(防水性能IPX3相当) AV(S)0.5~0.85sq 4セット 3343

エーモンの防水ギボシ端子。
利用できるコードの太さが細線用で0.5~0.85sqまでと決まっているので注意する事
防水ギボシ端子は一個や二個なら問題にならないが四個以上になると、かなり嵩張ってくるので多く利用する場合は配線レイアウトで工夫する必要がある。

エーモン 防水ギボシ端子セット (防水性能IPX3相当) 1.25-2.00sq 2896

エーモンの太線用1.25-2.00sq防水ギボシ端子。
バッテリーに繋いだ電源コードやアクセサリソケットなど電力を必要とする電装品の電源コードは、1.25sq以上のケーブルを使用するので、防水ギボシ端子はこちらを使用しないと電源コードをスリーブに通すことはできない。
逆に0.85sq以下の電源コードを太線用1.25-2.00sq防水ギボシ端子に使用するとスリーブが緩すぎて防水にならない。

       
キタコ電源取出しハーネス(type4) 適合:CRF250L/M(MD38全車種)| CT125ハンターカブ(JA55)

CT125のACC 2Pカプラに接続してACCソケットとは別に電源用ハーネスを追加できる。
これにより、バッテリー直の電源をメインスイッチ連動にするためのリレー用電源が手軽に確保できる。
自分でカプラーのハウジングやピンを購入して自作するより安上がりで確実なのでお勧めだが、このハーネスだけでもかなり嵩張るので配線構成次第ではライトケース内に収めるのは困難を極める事になる。

amazonでキタコ電源取出しハーネス(type4)を見る

キジマ カプラーハウジング 2極 HM090 オス/メス1対 汎用 1セット 304-7130

純正アクセサリソケットをバッテリー直で接続するために必要。
キタコの電源取出しハーネスを更に追加して代用する事も可能だが、カプラーが大きいのでヘッドライトカバー内に収まりきらない可能性と配線の見苦しさを考えるとカプラーを自作したほうがスマートに収まる。

amazonでキジマ カプラーハウジング 2極 HM090 オス/メス1対 汎用 1セット 304-7130を見る

キタコ 防水ギボシ端子セット(CA/CB103) ホンダ/オスメスセット/5セット 0900-755-01200

シフトセンサー感応式の汎用シフトインジケータを取付ける場合に必要。
CT125のニュートラル検出用ギボシ端子にチェンジ検出スイッチ(スイッチASSY)のニュートラル信号線を接続する必要がある為、それに合わせたホンダ防水ギボシ端子を用意する必要があるのだ。

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CT125の左ハンドルスイッチASSY用カプラーの製作用部品
ハザードランプ等のスイッチが搭載された他車種用左ハンドルスイッチASSYのカプラーをCT125用に変更する場合に使用する。

防水コネクタハウジング

スイッチASSY側

8P025WP-HS-M-tr

矢崎総業025型HS防水シリーズ8極Mコネクタ ハウジング オス
配線コム
8P025WP-HS-M-tr
配線コム(楽天市場店)
8P025WP-HS-M-tr

矢崎総業025型RH・HS防水シリーズM端子(ワイヤーシール付)オス
配線コム
M025WP-RH-HS
配線コム(楽天市場店)
M025WP-RH-HS
 車体側
通常、左スイッチASSYだけを交換する場合、車体側のカプラーは必要ない。
8P025WP-HS-F-tr

矢崎総業025型HS防水シリーズ8極Fコネクタ ハウジング メス
配線コム
8P025WP-HS-F-tr
配線コム(楽天市場店)
8P025WP-HS-F-tr

矢崎総業025型RH・HS防水シリーズF端子(ワイヤーシール付)メス
配線コム
F025WP-RH-HS
配線コム(楽天市場店)
8P025WP-HS-F-tr

使用する配線は自動車用電線を用意する必要があるが、CT125の左ハンドルスイッチで使用するカプラーの電線は極薄肉電線タイプのAVSSCAVS規格の物を使用する。
この電線は一般にはまず販売されていない(特にCAVS線)ので専門店から直接購入する。

千石電商 

矢崎
自動車用薄型低圧電線 0.3SQ 2m×6色(赤黒白黄緑青) CAVS 0.3SQ L-2×6【A】赤黒白黄緑青

自動車用薄型低圧電線 0.3SQ 2m×6色(茶空紫橙灰桃) CAVS 0.3SQ L-2×6【B】茶空紫橙灰桃




ハンドルスイッチASSY

主に250㏄の一部と400㏄クラス以上のハザードスイッチが搭載されているハンドルスイッチを流用し、カプラー等の配線を自前で組み直す事でハザードランプの機能をCT125に追加できる。
但し、600㏄以上のバイク用になると高価なだけに電子制御されていたりして、構造が異なるのは珍しくなく、配線変更で流用はできない物が多い。
また、配線の差し替えに伴うカプラー等の製作は単純な作業でありながら材料の調達から製作までかなり面倒で、苦行に近い。

したがって、ベースとなるハンドルスイッチASSYは、形状が同じで違和感が無い一昔前のホンダ純正部品(35200-MJE-DF1)等が利用されるがこれらは、ディマースイッチの構造が異なり、CT125で利用するにはディマースイッチに配線を移植する必要があり、作業難易度も高くあまり現実的ではない事から、アマゾンなどで売られている品質は悪いが低価格なコピー品を利用する事になる。

35200-KZZ-J02
 CB650F用 35200-MJE-DF1
 NC700用 35200-MGS-D12
 NC700用 35200-MGS-J31
 旧CRF250RA用 35200-KZZ-J02

ハイエンドモデルのハンドルスイッチ
CBR1000RR用 35200-MKF-D44 スイツチASSY.
をCT125に搭載する改造も試しているが、高価なだけあって構造が全く異なり難易度が跳ね上がるうえにボタン数も無駄に多くなる事からマニアックな独自電装を施さない限り殆どのボタンが無駄になってしまう。



amazonで売られている類似商品の例
 7/8" 22mm オートバイハンドルスイッチ
価格は純正の1/3程度と安価なだけにその品質はスイッチASSYの固定が樹脂製のハウジングに直接タッピングスクリューでねじ込むという100均レベルの構造で、非常用としてなら使えるレベルでまるで中高生の電子工作レベルの配線処理等、とにかく酷い。



ホンダ車スイッチレイアウト問題の解決用


2010年頃以前のホンダ製バイクに乗っている(乗っていた)場合や、カワサキ、ヤマハ等をメインで乗っている(乗っていた)場合、2010年以降のホンダ車はホーンスイッチのレイアウトがウィンカーと入れ替わった形になっている為、誤操作を引き起こす原因となっているが、その問題を解決し、ハザードまで搭載できる方法として古いホンダ純正や他社の純正スイッチASSYを流用するのは広く行われている。

欠点として、ハンドルスイッチのデザインの統一性が失われるが、市街地で誤操作する気まずさを考えれば些細な問題だろう。


ホーンスイッチの配置が現在の配置になる前のホンダ ハンドルスイッチ(カワサキ、ヤマハ等と同じ配置)

 スイッチレイアウト変更前のホンダ純正(さすがに古臭さは否めない)
 ホンダ 純正CBR600RR用 35200-MJC-D01

  他社純正スイッチASSY(2020年、現行)

さすがに現行品だけあって、ハウジングの形状こそエッジが立っていてホンダ純正とは違和感があるものの、ボタンの形状自体は違和感がない


ヤマハ 純正4C8-83969-00
カワサキ 純正LH 46091-0118と同じに見えるが、同じなのはスイッチとレイアウトだけでハウジングの分割構造が全く異なる別物である。 価格も高い。


カワサキ 純正LH 46091-0118
ヤマハ 純正4C8-83969-00に対してこちらはハウジングが前後にスッパリと分割される汎用感あふれるシンプルな構造で価格がヤマハの約半値という安さがそれを物語っている。

汎用ハザード付き左ハンドルスイッチASSY


amazonなどで販売されているカワサキ 純正LH 46091-0118のそっくりさんで、価格は2000円以下という恐ろしく安価な製品だが、驚くべきことにスイッチの防水性が皆無なこと以外はハウジングの造りは純正品と遜色がない。
配線図などは付属しないし、スイッチの防水化加工や配線を引き直す手間を差し引いても、手にしてみれば恐ろしくコストパフォーマンスが優れているのが判る。
ハザードの追加やホーンスイッチのレイアウト問題を解決するだけであれば、配線の手間暇と労力も余裕で元が取れる物だ。

Amazon 汎用ハザード付き左ハンドルスイッチASSY
https://amzn.to/3JxXYCb
https://amzn.to/3FL1Z3Y


ハザード付き右側ハンドルスイッチ

左側以外に右側ハンドルスイッチにハザードスイッチが搭載されているタイプでCT125の右側スイッチASSYとスイッチハウジングが互換の物が存在する。
コストが比較的安価に収まり、取付けも容易なのがメリットで、さっぱりし過ぎな右側スイッチが寂しいと感じるなら試してみる価値はあるが、左スイッチの配線を加工する必要がある為に純正品の配線に傷をつけたくない場合は採用できない。



Honda CBR500R/CBR400R(2021) 35130-MKP-D01
Honda CRF250L/CRF250RA(2021) 35130-K1T-J51

ハザードスイッチはオルタネイトタイプなのでハザード以外にも応用が利く事からカスタム用素材としても便利

関連記事:「汎用」ハザード付き左ハンドルスイッチ






電工用工具
個人がバイクや車で使う電工用工具は、主に配線関係の工具が中心となる。

 goot(グット) デジタル温調はんだごて PX-280 温度調節

設定温度の指定が出来てセラミックヒーターで既定温度になるまで20~30秒ほどで非常に早く、 一定時間はんだごてを使わないでいると自動的にスリープする機能もある。

この使用感は次世代はんだこてと言える物で強くお勧めできる物だ。
欠点は、本体に対して電源ケーブルが重く、腕にまとわりつくなどイラッとすることがあるが、これは手持ち半田こての宿命として止むを得ないところだろう。
はんだこてを買うなら、多少無理してでもこれを買う事をお奨めする。

同様の機能を持った安価な中華製品もあるが、性能は桁違いなので間違っても買わないように。
amazonでgoot(グット) デジタル温調はんだごて PX-280 温度調節を見る

 コテライザーオートミニ

軽量かつ小型で電気の無いところでも使える自動着火(ワンタッチボタン)タイプの小型ガス式ハンダゴテ。
基板上のハンダ付けからアマチュア無線·ホビー等幅広い用途に使用可能。

一回のガス充填で使用時間は約1時間·電気ゴテの15W~60Wに相当。
専用ガス以外に入手しやすいライター用ガスボンベでも使用はできる。
電源不要でケーブルが無いのでどこでも作業しやすく扱い易いので持っていて損はない。

amazonでコテライザーオートミニを見る

 エーモン 電工ペンチ 全長約255mm (1452)

ギボシ端子を扱うような機会は年に数回程度という頻度なら、高価な電装工具は宝の持ち腐れになってしまうので安価な電工ペンチで十分である。

このエーモンの電工ペンチはそんなニーズにピッタリな製品で、ギボシ端子のカシメに関しては慣れは必要なものの非常に優秀だ。
ワイヤーストリッパーやワイヤーカッター等の機能もあるが、オマケレベルの物と思った方がいい。
特にワイヤーストリッパーに関しては専用の物を購入したほうが捗る。 1000円台の圧着工具としては非常に優秀なので十分元が取れる。

amazonでエーモン 電工ペンチ 全長約255mm (1452)を見る

 エーモン 細線用電工ペンチ 全長約160mm 1431

電子工作においては、必須の工具だが一般的な車両用電装の配線作業ではまず使う事が無い。
車両用電装で細線用電工ペンチを使う場面は、ECU関係やスイッチ関連の防水カプラー等を自作する場合に必須となる。

電子工作が趣味という人でもない限り、使う頻度は人生において数回あるかないかというレベルで使う機会がない工具で、余りに使う機会が無いことから買っていたことも忘れるほどだ。
機械をいじるのと違って電装系は何故か作業自体がとにかく面倒に感じてモチベーションが保てないものだが、特に細線を扱う作業は出来る事ならやりたくは無いという作業の筆頭だ
したがって使う工具は必要に迫られて仕方なく用意するので、安価なエーモン 細線用電工ペンチ一択だ。

amazonでエーモン 細線用電工ペンチ 全長約160mm 1431を見る

Dark current 暗電流
Parasitic current 待機電流
電装品を追加した場合、仕上げにチェックしておきたいのがDark currentの状態だ。
配線ミスや電装品の故障があった場合、Dark currentの数値は異常な値を示す。
バッテリー容量の少ないCT125では、Dark currentの値は0.01A以下の限りなくゼロに近い値であることを確認する。
仮にDark currentの値が0.01Aとした場合、そのまま充電も運転もせずに放置しておいた場合は計算上では約2週間でバッテリーがあがってしまう。

 
 

2024年9月3日火曜日

CT125・ハンターカブ シフトインジケーター



目次:
 
amazon:CT125・キタコ ギアインジケーター(JA55用)
wibike:CT125・キタコ ギアインジケーター(JA55用)

amazon:MONKY125・キタコ ギアインジケーター(JB02用)
wibike:MONKY125・キタコ ギアインジケーター(JB02用)



CT125 ホンダ純正シフトインジケーター


2025年モデルから純正オプションで用意されるシフトインジケーター。
先行して新型のDAX125とMONKY125で用意されていたがCT125用も25年モデル用のオプションになる見込みが高い。
シフトインジケーターに関しては配線さえ加工できれば年式に関係なく容易に流用可能なので電工が出来る人には問題にならない。
JA55 取付イメージ
メーカー希望小売価格¥24,420(税込)と、価格が微妙。
メーターカバーを丸ごと交換する為、有無を言わさぬ一体感はあるものの、ちょっと張り出し過ぎなのが気になるのと、縁の造形などプラスチッキーさを強調するような意匠が安っぽく、その質感だけを見ると、とても2万円以上するパーツには見えない。
また、張り出しが大きい事から社外品のタコメーターと干渉するのは明らかで注意が必要だ。
干渉シミュレーション
純正シフトインジケーターだとDaytonaのVELONAタコメーター Φ48は完全に干渉する。
はっきり言って表示部分以外がデカ過ぎる。
純正シフトインジケーターを付けるならタコメーターは諦めるか、ステーを自作して移設する事になる。


amazon:デイトナ・VELONA 電気式 タコメーター CT125(JA55)専用 φ48 9000rpm表示 18898
amazon:デイトナ・VELONA 電気式 タコメーター CT125(JA65)専用 φ48 9000rpm表示 40265




市販シフトインジケーター



JA55用
JA55用として販売している物はシフトセンサーのスイツチASSYとセットが基本、スイツチASSYを用意する必要が無い。

プロテック ギアセンサー付 CT125ハンターカブ 11408 SPI-JA55
メーカー希望小売価格:¥19,800-----amazon:参考価格¥16,855 税込

LED自動調光機能、ニュートラル表示は0で表示と青色ランプで表示。
インジケーター部分は、異なる車種に対応できるように開発されたインジケーターの為、プログラムで自在に変更できる仕様で、これが仇となって振動や湿気による内部基盤劣化等の理由で設定がリセットされてしまうとギヤの表示が合わなくなったり無反応になると言う欠点があり、その場合は再設定する事になるが、こうなってしまうと再発は免れない。

また、純正の配線に手を入れずに身近に電源をとれる場所を選んだ結果なのだろうが、インジケーターの電源の取り出しがカバーを外す工程が増えるイグニッションコイルからと言う仕様もどうかと思うが、AIPROの様に安易にDLCコネクタから電源を取らないのは誠実と言える。


AIpro CT125 JA55 専用 APH9-SP 感応式 シフトインジケーター ギアポジション
amazon:¥15,688税込

シフトインジケーターが非搭載のホンダ125㏄-rebornシリーズ界で定番的な地位を築いているのがAIproのインジケーターだろう。

ギヤの表示はニュートラルは緑色のNで表示、1~4速は赤で表示と気が利いてるのもポイントが高いが、実売価格で¥15000以上と高価なのがネックだ。




電源の取り出しは本来想定していないDLCコネクタから取るがECUにトラブルがあった場合、保証外になる可能性があるので注意が必要。

amazon:AIpro CT125 JA55 専用 APH9-SP 感応式 シフトインジケーター


JA65用

AIpro CT125 JA65用 APHM 赤 感応式 シフトインジケーター
定価¥16,888

ギヤの表示はニュートラルは緑色のNで表示、1~4速は赤で表示と、JA55用と同じ。
スイツチASSYが付属しない割りに定価¥16,888、セール時で¥13,342 税込と納得しかねる価格設定。

電源の取り出しは本来想定していないDLCコネクタから取るが、ちょっと無責任と言わざるを得ない。

amazon:AIpro CT125 JA65 専用 APHM 赤 感応式 シフトインジケーター




キタコ シフトインジケーター
キタコのハイエンドなシフトインジケーター。
先行販売されるJA55用とモンキー125(JB05)では、ギヤポジションセンサーが付いて純正シフトインジケーター並みの2万円オーバーとかなり高価だが、時計機能が無い事を除けば、アルミ削り出しブラックアルマイト仕上げと、造りと機能は純正シフトインジケーターより価格相応とは言わないがかなりマシ



搭載する表示機能

・バーグラフタコメーター表示機能。
8個の高輝度LEDを使ってバーグラフ形式でエンジンの回転数を表示。
1000rpmから始まり1000rpm刻みでMAX8000rpm
3000rpmから始まり1000rpm刻みでMAX1万rpm
2500rpmから始まり500rpm刻みでMAX6000rpm
以上、3種類のバーグラフ設定が可能。

・シフトアップインジケーター表示機能。
各ギヤのシフトアップに適した回転数を設定する事で設定した回転数になるとギア表示が点滅し、シフトアップを促す。

・オーバーレブ表示機能
表示回転数を超えるとバーグラフが点滅

・電圧表示機能
キーをオンでオープニングデモとして電圧を(例:13.5Vの場合)
u  
と、1桁づつ順番に表示

・タイマー表示機能
電源投入後の経過時間をバーグラフで最大3時間50分まで表示可能
赤上段1個=1時間
赤下段1個=2時間
赤上下点灯=3時間
緑1個=10分

以上、インジケータの機能をほとんどカバーする。
気になる視認性だが、明るさを5段階で表示可能としており太陽光下の元でも視認性は確保できると思われるが、自動調光ではない為、
最高輝度に設定しているとトンネル内などいきなり暗くなった時に目潰しになる可能性がある。

気になる点
タコメーターとしても機能する為、ケーブルがインジケーター用と合わせて2本もぶら下がっている事から車体正面から眺めた時に後付け感が強くなる。

アルミ削り出しで質感が高いのは良いがケーブルと合わせるとそれなりの重量となる物を両面テープだけで固定と言うのは不安がある。

ギヤポジションセンサーが付いていないJA55とモンキー125(JB05)から先行発売するのは有り難い事だが、既に登場から4年以上が経過して生産も終了した今となってはギヤポジションセンサーが必要な人なら殆ど装備済みのはずで、買い替えるにしても無駄になるパーツが増えるのは悩ましいところ。

JA65用が安ければそちらを購入して移植したほうが手間が増えるにしても無駄も無く安上がりと考えるが、タコメーターのおかげでCKP センサーの割り込み接続が必要でこれがJA65とJA55で全く異なる事から各車種専用品を買う必要がある。

付加価値を付けたかったのだろうが値段を考えると、正直タコメーター機能は無くても良かったと思う。

amazon:CT125・キタコ ギアインジケーター(JA55用)
wibike:CT125・キタコ ギアインジケーター(JA55用)

amazon:MONKY125・キタコ ギアインジケーター(JB02用)
wibike:MONKY125・キタコ ギアインジケーター(JB02用)



その他のシフトインジケーター
中国製の安価な物が出回っているが、安価な低輝度のLEDが使われていて太陽光下の視認性はかなり悪い。
まさに安物買いの銭失いといったレベルなのでお勧めできない。
中華の安価なシフトインジケーターを試す







シフトインジケーターの仕組み
シフトインジケーターには、シフト状態を検知する方式によって、以下の二つの種類がある。

1.電算式

速度とエンジン回転数から計算して表示する方式。
最近ではOBD2から計算に必要なデータを受信する安価なタイプも増えているが、OBD2の信号にはタイムラグがあるので、反応速度は遅めで割り切りが必要。
車種専用品以外は、ギアポジションの設定を自分で行う必要がある。
速度や回転数から算出する為、停車時のシフト検知はできない事と、クラッチがつながっていない場合は、一時的に表示が狂うなど、あくまで簡易的なものである。

2.シフトセンサー感応式

車体に組み込まれているシフトセンサーからギアポジションを読み取る方法。
電気的接点を持った回転部分がギアポジション変更のたびに回転し、物理的に接点が切替わる事でギアポジションを表示する仕組みで、完全に操作に連動したシフトインジケーターとなる。
当然だが、車体にシフトセンサーの機構が搭載されていなければ利用できない。

シフトインジケーターとしては機能的には完璧と言えるシフトセンサー感応式だが、欠点としては物理的に接点を切替える構造の為、接点が消耗していくのは避けられない。

ギヤーシフトドラム と、チェンジ検出スイッチ
構造はギヤーシフトドラムにコンタクトキャップを取付けただけの単純な仕組みで、コンタクトキャップがチェンジ検出スイッチに設けられた1~4速、及びニュートラルの各接点と接触することによってシフト状態を検出する。

 CT125ギヤーシフトドラム構成部品(JA55)


14・・・ 35751-K26-920 
キヤツプ,チエンジスイツチコンタクト ・・・・・ 170円 1個

15・・・35752-KPH-900 
スプリング,チエンジスイツチコンタクト・・・ 120円 1個

※価格は2020年7月当時


チェンジ検出スイッチ(スイッチASSY) 参照:スーパーカブ110(JA44)





CT125(JA55)にシフトインジケーターを取付けるには?


CT125(JA55)では、チェンジ検出スイッチの名称がコンタクトASSYとなっており、接点がニュートラル用の一点だけなので、ニュートラル以外の検出ができない。

CT125(JA55)のチェンジ検出スイッチ(コンタクトASSY)
このCT125(JA55)のコンタクトASSYをJA65の35759-K2E-T11か、「C125」「WAVE125i」「スーパーカブ110(JA44)(JA10)」の「スイツチASSY」に交換することによりシフトセンサー感応式のシフトインジケーターが利用できる状態に変更できる。

CT125(JA65)ではエンジンのベースがクロスカブ等の110㏄のエンジンをベースに125㏄化する事で共通化によるコストダウンと軽量化を実現しているのでチェンジ検出スイッチもそのまま流用となっており、4速分の接点がしっかりついているのでスイツチASSYを購入する必要はない。





CT125(JA55)に利用できるスイツチASSYの種類

《HONDA純正部品スイツチASSY.,チエンジ》

C110 (コネクタ形状=9P)部品番号 (JA44) : 35759-K88-L01
C110 (コネクタ形状=9P)部品番号(JA44) : 35759-KZV-J01
C125 (コネクタ形状=6P)部品番号(JA48-100) : 35759-KDG-901
CT125(JA65)コンタクトASSY.,チエンジスイツチ:35759-K2E-T11
DAX125 コンタクトASSY.,チエンジスイツチ:35759-K2W-T01
WAVE125i 部品番号 :日本では販売していない

Webike 参考価格:¥6,700前後(送料が別途必要)


4速分の接点と配線が付いたスイツチASSYの価格が6700円程度と、その構造を考えるとかなり高価に感じるのは否めない。
手間とリスクを覚悟の上で安く済ませるなら、クロスカブ等で使用されているスイツチASSY 35759KWV003を加工して利用する選択もある。
こちらは、1200円前後と安価だが、接点自体は4速分が用意されているが配線されているのはニュートラルのみで残りの接点は樹脂で埋め固められている為、樹脂部分を削るか、穴をあけて配線を接続する必要がある。





CT125 シフトインジケーターの自作
シフト状態の表示を行う表示部には一般的に7segのLEDが採用されるが、ごく少数ながら9segのLEDを採用した製品も販売されている。
7segと9segの違いは表示セグメント数の違いである。
7segの場合、0~6と言った数字のみの表示しかできないので、ニュートラルの表示は0で表示される。
これに対し、9segのLEDを採用した製品では、ニュートラルの表示はNで表示する事ができる。

ケーブル・コネクタ・端子

●110型9極コネクタ

部品番号 : 35759-K88-L01「スイツチASSY.,チエンジ」と接続する場合に必要。
(オス・メス)1セット・端子付きを購入することをお勧めする。
使用する端子は5個なので4個分の端子が余るが、ケーブルに端子を取付る事に失敗した場合の予備として利用できる。

デイトナ
110型コネクターセット 9極コネクター(オス・メス)1セット
端子x極数分入り 96171 ¥532

キタコ
コネクターセット 110型/9極(オス/メス)/1セット 汎用 0900-755-02004¥577







トータルコスト

シフトインジケーターの導入コストは、個人の環境と能力次第で大きく変化するが、単純に必要な部品の総額を計算すると以下の様な結果になる。

HONDA純正部品 スイツチASSY, チエンジ  ・・・・・¥6,655
中華 5スピードギアインジケーター  ・・・・・・・・・¥923
デイトナ 110型9極コネクター   ・・・・・・・・・・・¥532
ホンダ用 防水ギボシ端子セット    ・・・・・・・・・・¥496
純正色ハーネス/2m AVS0.75  5色分  ・・・・・・・・・¥1,600
部品代合計・・・¥10,206

「HONDA純正部品スイツチASSY,チエンジ」が高価すぎて、消費税・送料も含めると最低でも8千円以上のコストがかかる。
便利だが無くても困らない機能として考えると、悩ましい出費と手間である。





中華の安価なシフトインジケーターを試す

仕組み上、7セグLEDを配線しただけの単純な構造なので品質とか気にしても意味がない。 とりあえずALIEXPRESSで販売されている数百円レベルの安いインジケーターをを4種類用意した。

結論から言ってしまうと、安物買いの銭失いである。


全て何の問題もなく動作するが、圧倒的に輝度が足りなさ過ぎた。
どの製品も野外では殆ど見えず、とてもじゃないが使えたもんじゃない。
これは失敗。

CT125・ハンターカブ タイヤ