2025年9月16日火曜日

スタジオ用ライト, COLBOR CL120R

スタジオ撮影用蛍光管が寿命を迎え、更に蛍光管自体の生産が2027年末で国際的に生産終了となることから、LEDの撮影用ライトに刷新。

YouTube等の撮影ではTVのドキュメンタリーと同じで、この様なスタジオライトではセッティングの手間に加えて機材が大きすぎるので使用しない、そもそもブレーカーが落ちる。
2~3千円のビデオライトが3~4台以上あれば十分に撮影出来る。


COLBOR  CL120R 

中国の新興企業であるCOLBOR が展開する映画・スタジオ用の小型でパワフルなRGB LEDライト。
Aliexpress 販売価格(1台):36000~46000円前後(Liteバージョン)

目的にもよるがライトは4台は必要となる為その導入コストは非常に大きく、LEDに移行するにあたって、コストパフォーマンスを求めた結果、映画・TVの技術プロダクション向けを除くと中国のメーカーだらけとなり現在は世界の市場を中国メーカー同士で争っているような状況。


同じ価格帯ではNEEWER のCB100Cがライバルとなるが、それはCL120Rの付属品が無い本体のみのLiteパッケージの場合で、実際はCB100Cの上位機種であるFS150CがCL120Rと同等と言える。

NEEWER  CB100C

100Wオーバーのスタジオ用ライトをお手頃価格で手に入れられるのが CB100Cの魅力だが
ライトの性能は同じでも普及版だけにチープ感は拭えない。

手と比較するとそれなりに大きい事がわかる

性能は同じでも、コンパネのボタンやモニター、電源接続部分など質感はだいぶ差がある


CL120R 外観

ガンダムに出てきそうなSFチックなデザインの本体 
中身は電源回路が内蔵されていないので殆どヒートシンクと冷却ファンで埋まっている

小型と言っても映画・スタジオ用の製品なので小ぶりの業務用ビデオカメラ並みの大きさがあり、重量は本体のみで約1,6kg、これにリフレクターや電源をぶら下げると2kg以上の重さになるが、電源の無いロケ地で使用する場合はバッテリーパックを装備する事になり重量はさらに重くなる。

120Wの出力

出力的に大きなスタジオでメインライトとして使うには無理があるが、1mでの照度はリフレクターなしで30700luxとRGBタイプとしては十分な照度があるのでドラマや映画の他、10畳程度の小規模なスタジオルームや近距離での撮影では十分である。

60W

120W


 CL120Rのラインナップは収納ケース付きのフルセット版と本体と電源ユニット+NATOマウントの3つのみと言う構成で価格が安いLiteパッケージ版がある。

Liteパッケージ版はライトなら当たり前に付いていると思いがちなリフレクターすら付属しないので注意が必要だが価格が安いのが最大の魅力。

Liteパッケージ版の構成

フルパッケージの構成

中華製品なのでAliexpressで買えば更に安いだろうと調べるとLiteパッケージ版の販売価格は3万6000~4万円前後と日本で買った方が安いが、値上げが続いている昨今では現在の在庫が無くなると価格が跳ね上がると思われる。
amazonでタイミングが良ければタイムセールやクーポンで安く買える場合がある。
また、手厚いサポートは無いので壊れたら買い替えが前提である。

amazon:COLBOR 撮影用ライト, CL120R RGB 簡易パッケージ版


電源はACアダプタ方式


電源接続はXLRコネクタで業務用ではお馴染みのもの


電源はACアダプタ方式で本体並みの長さがあり、大きく重い。
スタンドや三脚に吊るす為のステンレスワイヤが付けられていてスタンドの重しとして使用する仕様。


業界標準であるBowensマウントを採用

様々なメーカーから販売されている豊富なソフトボックス、リフレクター、ビューティーディッシュといったアクセサリーを装着可能。

純正アクセサリーなど無いに等しい本製品を使用する場合、Bowensマウントの採用は多様なアクセサリーを利用できる事から購入者・メーカー共に汎用性と拡張性をもたらす重要なポイントである。


CL120Rは電源と本体のみの簡易パッケージ版を購入したため、リフレクター等は別途用意する必要がある。
Bowensマウント規格に対応している為、同規格対応品であれば流用できるはず
NEEWER のRF1 18cm 55° リフレクターはちゃんと流用できた。
かなりの大きさがある

操作パネル

操作パネルは二つのダイヤルと各種モード切替用の4つのボタンで構成され操作性は良好
ダイヤルは回転させる以外にプッシュスイッチとしても機能し、押すことによってメニューの項目変更と明るさなどの設定数値の早送りが出来る。

設定情報を表示するインパネは7セグの数字だけ表示する家電のような安易な物ではなく、バックライト付きのモノクロドットマトリクス液晶が使われておりアルミ製のダイヤルやバックライト付きのボタンなどプロ用機材らしい操作パネルとなっている。



アクセサリーマウント

本体左右にNATO規格のレールが使えるNATOマウント用の溝が設けられており、
これを使って複数のCL120Rを連結したりNATO規格のカメラアクセサリーを搭載できる


カメラ用三脚に取付ける為、PATIKIL のカメラスピゴットを用意


PATIKIL のカメラスピゴットはアルミ合金製で価格も安価。
短めなのでめり込むほど奥まで挿入しておかないとグラついたりするので注意


COLBOR  CL120R と NEEWER CB100C の機能と性能

造りと質感以外は両機種の機能と性能は殆ど同じであるが、CL120R が本体側で全ての調整が操作できるのに対し、CB100C ではスマートフォンのアプリでしか調整できない項目もある

色温度の調整可能(2700K~6500K

バイカラータイプのライトなので2700Kの暖色から6500Kの寒色まで、幅広い色温度で100K単位で調整可能。
意図に合わせた柔軟なライティングが可能


RGBフルカラー

単色固定のライトに比べて表現の幅が格段に広がる他、背景色として利用したり色味がリニアに変更出来る為、動画の演出を効果的に行う事が可能。
HSVによるカラー変更を採用 利用経験があれば直感的に変更できる

リフレクターを使ってスポットライト的な効果を出し、ビデオ雲台でライトの向きを自由に動かして更に色を瞬間的に切替えたりリニアに変化させたりと舞台演出的に使う事も可能


2台以上をあれば映画的演出も手軽に可能



高い演色性

商品撮影などで被写体の色を忠実に再現したい場合に重要となる演色性はJISが定めた平均演色評価数(Ra)でCRI96+で高演色性区分はClass4と非常に高く、製品個体差による多少のばらつきはあるとしても業務用として使える色再現性を持つ

演色性とは、仕事をしたり長い間滞在する室内の望ましさを示したもので色が重要な組立作業や検査、医療機関などの顔色といった目視での色の見え具合が重要視される環境では高い演色性が要求され、人が感じる好ましさや不快さは一切考慮しない。

JIS 2019年 LEDにおける高演色性区分イメージ
あくまで色の忠実性を示した参考値であり、日本ではJISで定められた基準光にどれだけ近い色を表現できるかの指標である。


G/M+ グリーン/マゼンタの色被り調整可能
RGBフルカラーのLEDなので環境光などによって緑がかったり赤みがかったりと言った場合の補正や調整が出来る。




その他

スマートフォンアプリによるワイヤレス制御に対応
スマートフォンをリモコン替わりに使える為ワンオペの撮影時に非常に便利である
 
炎、稲妻、爆発、溶接、等の13種類の特殊効果モードを搭載
ドラマや映画の撮影時に照明を用意することなく照明効果を追加できる

冷却ファンは三種類の動作モードが用意されて状況に合わせて設定可能

    スマートモード(デフォルト)
内部で検出された温度に応じてファンの速度を自動調整
    静音モード
低速で回転し続け、製品の温度がアラート値よりも高くなると、過熱保護機能が作動し消灯する
    パフォーマンス モード
最高速度でファンは動作し続ける

静穏モード時のファンノイズは1メートル程度離れると殆ど聞こえないレベルでエアコン等の空調が稼働していれば気にならないレベルで静穏さが保たれている

まとめ

NEEWER CB100C と COLBOR CL120Rでは採用しているCOB LED自体が異なるので発色の違いがある懸念があったがさすがに高演色性が求められる製品だけにどの色に変更しても色味は共通で、目で見た場合と撮影した映像で違いが出る事もなくまともな製品だった。

HSVサークル 237°
リフレクターがNEEWER CB100Cでは25°に対し COLBOR CL120R は55°なのでNEEWER CB100Cの照射面中央が明るい。
HSVサークルの数値が同じならちゃんと同じ色で光る。
HSVサークル 291°


業務用として必要な性能と機能を満たしている事はもちろんの事、調整もしっかり可能とコストパフォーマンスは抜群だが、 COLBOR CL120R が安価なのはリフレクターすら付属しない簡易パッケージ版という点に注意が必要。
リフレクターからライトスタンドまで別途購入すると価格的優位性は殆ど無くなるか、競合他社より割高になる。

ボディ本体はアルミ製だがマウント部分が強化ABS樹脂製で耐久性は未知数。
動作音は静かで造りもしっかりしていて安心感がある。


互換アクセサリ

NEEWER RF1 18cm 55° 魚鱗模様 ライトリフレクター

Bowensマウント規格の標準的リフレクター


NEEWER RF2 18cm 25° 魚鱗模様 ライトリフレクター

挟角タイプリフレクター アンブレラを通す為の穴付き



PATIKIL カメラスピゴットスクリューコンバーター
カメラ用三脚スクリューアダプター1/4インチ メスto1/4インチメス

ライトをカメラ用三脚に固定する為のアダプタ











2025年8月4日月曜日

電装用便利アイテム

電装の配線作業を楽にする便利アイテム

電装を追加する際、最も使う可能性があるのが電源分岐ハーネス。
自作するメリットは配線の長さを自由に選択でき、配線を美しく纏める事が出来る点だが、そういうことを気にしないのであれば完成品を選ぶのが手っ取り早い。
ギボシのカシメに慣れている人であれば、数分で製作できる為、敢えて買うメリットはないが、経験がない場合や自作は出来ても自分の技術に自信がなく不安な場合、完成品の購入がお薦めだ。

キタコ オプション分岐ハーネスセット メスギボシ(Φ3.5用) 756-9900100
ギボシ端子:103型用
参考価格: ¥330
端子の規格がオス/メス共に=103型
ハーネス長:70mm(推定) デイトナのD-UNITやキタコとデイトナの電装品といった、103型のギボシ端子を採用している電装品を追加したい場合に使用する。

自作できる場合でも、103型のギボシ端子のみを買おうとすると高価な為、103型を敢えて使いたいのであればこちらを購入したほうが安上がりである。
amazon:キタコ(KITACO) オプション分岐ハーネスセット 103型


キタコ オプション分岐ハーネスセット メスギボシ(Φ4.0用) 756-9900110
ギボシ端子:オス=103型/メス=104型
参考価格: ¥330
オス=103型/メス=104型
ハーネス長:70mm
デイトナのD-UNITで採用される103型のギボシ端子を生かして一般的なエーモンなどの104型ギボシ端子を増設する場合に使う便利アイテム。

デイトナのD-UNIT製品ラインナップは2ポートから6ポートまで幅広く用意されているが、このキタコ オプション分岐ハーネスセット756-9900110を使えば、小型で安価な2ポートタイプのD-UNITを買うだけでアンぺアが許す限り極端だが無限にポート数を増設できる。

amazon:キタコ(KITACO) オプション分岐ハーネスセット メスのみギボシ104型


矢崎総業 ギボシ端子付分岐コード Y501
ギボシ端子:104型用

参考価格: ¥300~500
JIS D5403(自動車用電線端子)規格に準ずる製品
一般的なエーモン等のギボシ端子などが接続できる分岐コード。 矢崎総業のこの製品は純正部品等も生産している実績に加え、ハーネスの色が赤と黒の2種類がセットになっているのがポイント。

エーモンやキジマなどからも同様の製品が販売されているがハーネスの色が黒のみであることから、配線作業時の識別が紛らわしく配線ミスを誘発する可能性がある。

amazon:矢崎総業 ギボシ端子付分岐コード Y501


キタコ ダブルギボシ端子セット CA/CW103 0900-755-01003
ホンダ車用 オスギボシ/スリーブ×各4 メスギボシ/スリーブ×各2
ギボシ端子:103型用
参考価格: ¥400前後
オス/メス共に=103型
プロのような綺麗にまとまった配線をしたい場合、ハーネスの自作は必須だが端子のみの購入は割高である
amazon:キタコ ダブルギボシ端子セット CA/CW103


キタコ ダブルギボシ端子セット CA/CW104 0900-755-01004
オスギボシ/スリーブ×各4 メスギボシ/スリーブ×各2
ギボシ端子:104型用
参考価格: ¥400前後
オス/メス共に=104型
プロのような綺麗にまとまった配線をしたい場合、ハーネスの自作は必須だが、そもそも自作するのであれば最適な長さとシンプルな配線を構成する為、このような端子を使う機会は増設が必要になった場合以外、多くない。
amazon:キタコ ダブルギボシ端子セット CA/CW104


2025年3月30日日曜日

奇蹟のフィット!キタコ アルミステー 20-04型 3mm厚 汎用ステー

YouTube 「電装のガイドライン 近代化実装」で使用

CT125でリレーやドラレコのカメラといった軽量な電装部品の装着をハンドル周りに装着する場合、
まるで専用に設計したかのように奇蹟的なフィット具合を見せたのが キタコ アルミステー 20-04型 3mm厚 汎用 シルバー 529-0301040だ。


普通のアルマイト処理されたアルミ材を曲げ加工しただけの単純なものなので重量がそれなりにあるフォグランプ等のステーに使うと振動によって簡単にもげてしまうが、 ヒューズホルダーやリレーと言った軽量な電子部品の固定用ステーとしては相性が良く、特にデイトナのD-UNIT WR mini 45871をヘッドライト下に固定する場合にはサイズもさることながら固定用ボルト用の穴の位置や間隔がD-UNIT WR mini 45871とピッタリと専用品の様にマッチするのは奇跡的な物。

完全無加工とはいかないものの素材がアルミだけに棒ヤスリなどの工具等で加工が容易である為、非常に使い勝手が良い

amazon:

キタコ アルミステー 20-04型 3mm厚 汎用 シルバー 529-0301040

デイトナ D-UNIT WR mini 45871