開発/製造は中国のHuawei Power Source (Hong Kong) Co., LimitedでOUTDO ブランドで展開している製品。
日本では株式会社ナヴィックが総代理店となっている。
▶OUTDO日本語ウェブサイト
ナトリウムイオン電池は今のところ中国のメーカーしか生産しないだろう、これは突出した技術力の成果ではなく、リチウムイオン電池と近い製造プロセスで生産できる事からリチウムイオン電池の工場を僅かな改修だけで工場を流用できるので、世界のリチウムイオン電池のバッテリーセル製造能力の66%という圧倒的な生産拠点を利用できる中国が量産に有利な為である。
中国政府は国家の安全と利益を守る目的で、一部の高性能リチウム電池、主要な正極・負極材料、製造設備・技術を輸出規制の対象とするなど外交カードとして利用される問題もあって、日本を含む欧米のメーカーは中長期的な展開を見据えて内部に液体が一切存在しない全固体電池の開発に注力しており、液体が含まれるナトリウムイオン電池はあくまで過度期の産物に過ぎず、電池戦争のゲームチェンジャーにはなり得ない。
※1 ニッケル水素電池がハイブリット車の駆動用以外でバッテリーとして採用されない主な理由は、自己放電率が高く、始動時の大電流供給性能が鉛蓄電池に劣るためであり、更に低温環境下では性能低下など自動車用バッテリーには向いていない特性の為である
ナトリウムイオンバッテリーの特徴
登場したばかりのOUTDOの製品が謳い文句通りの性能かは中国製である事に加え世界初の車載用で大規模な一般向け市販製品と言う事で、見切り発車的な完成度や妙なチップを搭載されていたりする不安がよぎる。
何と言っても中国自体のイメージの悪さと悪い意味での実績が強すぎてスペック表や宣伝文句を見てもちょっと信用できないのだが、日本総代理店の株式会社ナヴィックがナトリウムイオンバッテリーの色々な実証動画をYouTubeに挙げており、とりあえず実使用に問題は無さそうではある。
OUTDO ナトリウムイオン NaCR5SL Pro(YTZ5S / GTZ5S互換)を電装改修中のHONDA CT125・ハンターカブ JA55 にとりあえずブッ込んでみたが問題なく搭載できる 気になるスペックと特徴
充放電サイクル・・・・・・3000回以上
リチウムのSHORAIバッテリーで2000回以上だがナトリウムイオンバッテリーでは公称値3000回以上でこれは毎日充電しても10年近く利用できることになる。
ナトリウムイオンバッテリーは総じて最大充電回数は大きいので妥当な数値といえる、バイク用の鉛バッテリーが多くても500回程度と言う事を考えれば充放電回数を気にする必要は無いが 実績が無いので長期的信頼性はこれからとなる。
リチウムのSHORAIバッテリーで2000回以上だがナトリウムイオンバッテリーでは公称値3000回以上でこれは毎日充電しても10年近く利用できることになる。
ナトリウムイオンバッテリーは総じて最大充電回数は大きいので妥当な数値といえる、バイク用の鉛バッテリーが多くても500回程度と言う事を考えれば充放電回数を気にする必要は無いが 実績が無いので長期的信頼性はこれからとなる。
深放電対応・・・・・・0Vまで放電可能
0Vまで放電しても損傷することなく再充電が可能で最大のメリット。
過放電の心配から解放されるのでうっかり過放電しがちな人はこの為だけに買い替える価値がある
0Vまで放電しても損傷することなく再充電が可能で最大のメリット。
過放電の心配から解放されるのでうっかり過放電しがちな人はこの為だけに買い替える価値がある
作動温度範囲・・・・・・マイナス25℃~70℃前後
広い作動温度範囲が特徴で特に低温環境での性能維持能力に優れ、-25℃の環境下でも使用可能
作動温度範囲が狭いリチウムイオンバッテリーに対するアドバンテージの一つで寒冷地では最良の選択肢だろう。
広い作動温度範囲が特徴で特に低温環境での性能維持能力に優れ、-25℃の環境下でも使用可能
作動温度範囲が狭いリチウムイオンバッテリーに対するアドバンテージの一つで寒冷地では最良の選択肢だろう。
急速充電可能・・・・・・Cレートで3C充電まで対応
Cレートとはバッテリーの充電・放電速度を示す単位で、バッテリーの理論容量を1時間で完全に充電または放電する電流値。
電池の容量が2Ahとした場合、1Cで充電するには2Aが必要となる。
リチウムイオンバッテリーなどの高出力で大容量の二次電池全般では急速充電の必要性から動作能力を示す指標として使用されるようになり、鉛バッテリーとはCレートの意味が異なる。
一般的な鉛バッテリーの充電電流は、バッテリーの容量(Ah)の10%から20%を目安としている為、Cレートで換算すると非常に低い放電レートになるので容量を特定のCレート(放電時間)で表記する。
急速というよりも特別快速レベルの充電速度に対応できるのは強味だが、4.5Ahのバッテリーを1Cで充電するには4.5A、3Cで充電したければ13.5Aもの出力が出来る充電器が必要で価格も高価になる為、個人で利用するには敷居が高い。
Cレートとはバッテリーの充電・放電速度を示す単位で、バッテリーの理論容量を1時間で完全に充電または放電する電流値。
電池の容量が2Ahとした場合、1Cで充電するには2Aが必要となる。
リチウムイオンバッテリーなどの高出力で大容量の二次電池全般では急速充電の必要性から動作能力を示す指標として使用されるようになり、鉛バッテリーとはCレートの意味が異なる。
一般的な鉛バッテリーの充電電流は、バッテリーの容量(Ah)の10%から20%を目安としている為、Cレートで換算すると非常に低い放電レートになるので容量を特定のCレート(放電時間)で表記する。
C10(10時間率)=1Cの放電率(定格容量の1/10の電流)で、10時間かけて放電したときの容量。
C20(20時間率)=0.05Cの放電率(定格容量の1/20の電流)で、20時間かけて放電したときの
容量。
容量。
急速というよりも特別快速レベルの充電速度に対応できるのは強味だが、4.5Ahのバッテリーを1Cで充電するには4.5A、3Cで充電したければ13.5Aもの出力が出来る充電器が必要で価格も高価になる為、個人で利用するには敷居が高い。
自然放電・・・・・・低放電
バイクに取付けた状態での保持率は12ヶ月で50%が公称値で、リチウムのSHORAIバッテリーと比べると劣るものの放電率は充分低いので冬眠時でも手間いらずで保管が出来るうえに、完全に放電してしまっても充電すれば復活できるので非常に心強い。
バイクに取付けた状態での保持率は12ヶ月で50%が公称値で、リチウムのSHORAIバッテリーと比べると劣るものの放電率は充分低いので冬眠時でも手間いらずで保管が出来るうえに、完全に放電してしまっても充電すれば復活できるので非常に心強い。
設置角度・・・・・・360度全方位制限なし
縦・横・斜め・逆さま・自由に設置可能
縦・横・斜め・逆さま・自由に設置可能
重量・・・・・・鉛バッテリーより軽い
リチウムバッテリーの中身が入っていない様な軽さには及ばないものの鉛バッテリーより軽い事が体感できる程度には軽量である。
公式の販売ページではNaCR5SL Proの重量が0.65kg と表記されているが実際に測定すると0.85㎏で200gの差があった
リチウムバッテリーの中身が入っていない様な軽さには及ばないものの鉛バッテリーより軽い事が体感できる程度には軽量である。
公式の販売ページではNaCR5SL Proの重量が0.65kg と表記されているが実際に測定すると0.85㎏で200gの差があった
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| GS YUASA YTZ5Sに対して53.9%軽量 |
エネルギー密度・・・・・・リチウムバッテリーより劣る
ナトリウムはリチウムに比べて原子量が約3倍、イオン体積が約2倍。このため、単位重量あたりと単位体積あたりに蓄えられるエネルギー量が原理的に少なくなる為エネルギー密度では宿命としてリチウムバッテリーより劣る事になる。 エネルギー密度を更に高め、さらなる高性能化を目指せる可能性はあるものの、その時にはリチウムバッテリーも更なる高性能化を果たしているだろう。
ナトリウムはリチウムに比べて原子量が約3倍、イオン体積が約2倍。このため、単位重量あたりと単位体積あたりに蓄えられるエネルギー量が原理的に少なくなる為エネルギー密度では宿命としてリチウムバッテリーより劣る事になる。 エネルギー密度を更に高め、さらなる高性能化を目指せる可能性はあるものの、その時にはリチウムバッテリーも更なる高性能化を果たしているだろう。
安全性・・・・・・構造的に発火しない
単体のナトリウム(金属ナトリウム)は水と激しく反応する危険物なので勘違いしやすいが、ナトリウム化合物として食塩・漂白剤など食品や工業製品などに利用される身近な物質である。
ナトリウム化合物を製造する際、単体のナトリウムを使用するので細心の注意が必要だが、完成したナトリウム化合物はナトリウムが単体で存在しないため危険性はない。
バッテリー内部の配線や電子部品が短絡等で高温になり発火に至る事はあるがそれは鉛蓄電池でも起こり得る問題で、バッテリー内部のナトリウム化合物の素材が発火の原因になる事はない。
また、電池残量をゼロの状態で輸送出来る為、安全な輸送が可能である。
単体のナトリウム(金属ナトリウム)は水と激しく反応する危険物なので勘違いしやすいが、ナトリウム化合物として食塩・漂白剤など食品や工業製品などに利用される身近な物質である。
ナトリウム化合物を製造する際、単体のナトリウムを使用するので細心の注意が必要だが、完成したナトリウム化合物はナトリウムが単体で存在しないため危険性はない。
バッテリー内部の配線や電子部品が短絡等で高温になり発火に至る事はあるがそれは鉛蓄電池でも起こり得る問題で、バッテリー内部のナトリウム化合物の素材が発火の原因になる事はない。
また、電池残量をゼロの状態で輸送出来る為、安全な輸送が可能である。
価格・・・・・・微妙な価格
GS YUASA YTZ5S 互換で比較すると、OUTDO ナトリウムイオン NaCR5SL Pro(YTZ5S / GTZ5S互換)の定価が20,570円で、期間限定のセールで20%オフ(16,456円)だったことを考えると実売価格は2万円を切るくらいに落ち着くと思われる(バイク用品店の場合は定価販売だと思われる)
対するバイク用リチウムバッテリーは主に車両の状態きちんと把握出来て適切な整備を怠らず必要とあらば金額に拘らないサーキット走行も重視するようなマニアックな人が買う物なので比較してもあまり意味はない。
一方、鉛バッテリーでは純正と同じ GS YUASA YTZ5Sが amazonで11,491円、YTZ5Sの互換製品が3千円台で買えてしまう事を考えるとナトリウムイオンバッテリーが鉛バッテリーに対してぶっちぎりの性能があるにしても一つのバイク(又は同じバッテリーを使える車両)を長い年月乗り続けるとは限らない事を考えるとバッテリーをナトリウムイオンバッテリーに交換後2~3年で乗り換えてしまうと明らかに鉛バッテリーの方が安上がりなので悩ましい所だろう。
GS YUASA YTZ5S 互換で比較すると、OUTDO ナトリウムイオン NaCR5SL Pro(YTZ5S / GTZ5S互換)の定価が20,570円で、期間限定のセールで20%オフ(16,456円)だったことを考えると実売価格は2万円を切るくらいに落ち着くと思われる(バイク用品店の場合は定価販売だと思われる)
対するバイク用リチウムバッテリーは主に車両の状態きちんと把握出来て適切な整備を怠らず必要とあらば金額に拘らないサーキット走行も重視するようなマニアックな人が買う物なので比較してもあまり意味はない。
一方、鉛バッテリーでは純正と同じ GS YUASA YTZ5Sが amazonで11,491円、YTZ5Sの互換製品が3千円台で買えてしまう事を考えるとナトリウムイオンバッテリーが鉛バッテリーに対してぶっちぎりの性能があるにしても一つのバイク(又は同じバッテリーを使える車両)を長い年月乗り続けるとは限らない事を考えるとバッテリーをナトリウムイオンバッテリーに交換後2~3年で乗り換えてしまうと明らかに鉛バッテリーの方が安上がりなので悩ましい所だろう。
まとめ
エネルギー密度と重量以外ではリチウムバッテリーより優れており、発火の心配がなく過放電後でも利用可能とズボラな運用でも扱いやすく安心して利用できる事から現在の最良の選択肢と言えるが、中国製でしかも初物という事もあって得体のしれない不安があり内部基盤の精査や長期使用の実績がない現状では、安易にお勧めとは言えないのが難しい所である。
一部製品でバッテリー端子に挿入する固定用ターミナルナットがバッテリー端子のナット挿入スぺースより薄く小さい為にボルトと一緒に供回りしてしまい端子を固定できないという問題が販売直後に発覚しており、不安がにじむスタートとなった。
YTZ5S互換のNaCR5SL Pro 12V 4.5Ahでは供回りすることなく固定は出来るがターミナル・ナットがバッテリー端子より薄く小さい為にナットの遊びが大きく、ナットをバッテリー端子に挿入した状態でバッテリーを搭載しようとするとターミナル・ナットを落としやすいので注意が必要
CT125に搭載するには、最初にバッテリ―のみを収めてからバッテリーを持ち上げて少し浮かせた状態にしてターミナル・ナットを挿入したが、挿入の際ターミナル・ナットを落とさないように注意が必要。 念の為、古いバッテリーのターミナル・ナットを流用するか、キタコ等から販売されているターミナルボルト・ナットを別途用意しておくと安心である。。
キタコ ターミナルボルト・ナットセット
数千円



















































